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(今日の開祖語録)
「仁王尊の像は、気力、体力が全身のすみずみまでみなぎっています。あの表情が端的に物語っているのは、現世のもろもろの不正に対する悲しみを内に秘めた、怒りのほとばしりであり、真の慈悲の姿です。」
(1979年9月 全国指導者講習会)
【解説】
開祖は、人や社会の行く末を案じておられました。拳士には「社会のことに無関心になるな」と説かれ、社会的な不正や差別、搾取などに対しては怒りを隠しませんでした。開祖のその「怒り」は、人への深い思いやりや愛情といった「慈悲」の心から生じるもので、人や社会を憂いてのことでした。そんな開祖にしてみれば、不正を見ても知らん顔、迷惑をこうむっても耐え忍ぶという腰の引けた人や社会もまた、怒りの対象でありました。
本山の錬成道場に木彫りの仁王像2体が安置されています。高名な仏師、故松久朋琳氏によるものです。これの制作にあたり、開祖は自らそのモデルとなられ、上半身裸になって構えをして見せ、松久氏を感嘆させました。開祖の気迫と躍動感そのままの仁王像。その憤怒の形相が、今も修行に励む拳士たちを見下ろしています。
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次回の配信予定 8月7日
金剛禅総本山少林寺 布教課